第20回記念定期演奏会 盛岡公演 2025年3月16日(日)


20回目の定期演奏会を記念し、マンドリン演奏家・作編曲家として多方面で活躍なさっている青山 涼氏を客演指揮にお迎えし、同氏の作品をお届けします。

第1部はこれまでの定期演奏会の演奏曲目から3つを選び構成しました。
第2部は小編成によるアンサンブルステージです。
第3部では、コロナ禍によりやむなく中止となった第15回記念定期演奏会の委嘱曲「風のステラ」、そして今回の定期演奏会のために委嘱した「交響する多元宇宙」を、作曲者である青山涼氏を客演指揮にお迎えして演奏します。

団員一同皆様のご来場を心よりお待ちしております。

レヴァンテ・マンドリンオーケストラ
第20回記念定期演奏会 盛岡公演

公演日時

2025年3月16日(日)
14:00開演(13:30開場)16:00終演予定

会場

盛岡市民文化ホール[マリオス] 小ホール >>会場の詳細はこちら

演奏曲目

第1部

  • 歌劇『イーゴリ公』より序曲 / A.ボロディン
  • 亡き王女のためのパヴァーヌ / M.ラヴェル
  • プスタ~4つのジプシー舞曲~ / J.ヴァン=デル=ロースト

第2部

  • 小編成アンサンブルステージ

第3部

  • 風のステラ / 青山涼
  • 交響する多元宇宙(初演) / 青山涼
  • 客演指揮:青山涼

【楽曲解説】交響する多元宇宙
 2024年に、レヴァンテ・マンドリンオーケストラ様から委嘱されて作曲。
 宇宙の始まりには、ゆらぎがあるという。生まれたばかりの小さな宇宙はインフレーションという急速な膨張を経て、その後ビッグバンを起こす。その宇宙が、実は私たちがいま過ごしている宇宙の他にもたくさんあるのではないか、という考え方が多元宇宙論(マルチバース)である。
 本曲の構成は、次々に生まれる複数の宇宙を模している。曲の進行は時間の進行であり、逆行することはない。同じ音楽が、同じ宇宙が、繰り返されることはない。この構成は聴衆に、中心となる拠り所の無い不安や予測ができない不安を感じさせる。
 人は、いつでも同じように感じられるモノや経験に頼って、毎日を生きている。そうでなければ、無限の差異に溢れた現実に圧倒されてしまう。誰かに新たに皺が一本増えただけで、以前と同じ人物だと感じられなければ、どれだけの混乱が起こるか想像に難くない。本曲が提示する感覚は、差異に溢れた現実のミニチュアである。
 私たちの「今」は二度と起こり得ないという事実は、過去はやり直せないという絶望かもしれない。しかし、時間の進行とともに進んでいく他ないという事実は、未来だけに向かって今を生きられる希望かもしれない。私たちにとって差異に溢れた現実は絶望なのか希望なのか、その観測は不安な一歩を踏み出すことでしか成し得ない。本曲はそのシミュレーションなのである。(作曲者記)

/ 7月 23, 2024/ CONCERT(定期演奏会)